フランスへやって来て、驚いたことがある。
スーパーの食品にCO2排出量を示す環境ラベルというものが貼ってあったのだ。
これは「カジノ炭素指標」と呼ばれるもので、目的は、消費生活用品の環境影響について消費者に情報を提供し、情報に基づく選択を可能にすること。
さすが、フランス!!
日本でも地球温暖化に伴い、輸入食品の輸送や梱包で発生するCO2が問題視されるようになってきていたけれど、環境ラベルなんて手間のかかることをしているスーパーや会社を聞いたことはなかった。
日本よりも消費者の要求の声が届きやすいのか、日本よりも消費者の意識が高いのか、はたまた経営者の志が立派なのか、とにかく今の時代に必要な試みだと思った。
消費者はラベルの情報を見て、CO2の排出のことだけではなく、地球温暖化のことにも興味が湧き、他のことも気をつけるようになるきっかけにもなる。
国民全体がこういった選択の機会に恵まれているというのはすばらしいことだ。
とにかく身近なことから地球市民の一人として役割を果たすことが出来るし、意識できるようになるのだから。
さて、このラベルは各商品のライフサイクルを通して排出されるCO2の量が一目で分かるようになっている。
具体的には、農業生産、加工、輸送、梱包及び販売という5つの段階で排出される温室効果ガスの量を合計し、最終商品100グラム当たりCO2排出量○○グラム という形で提示されている。
例えば、缶詰のCO2排出量は、フランス産(トラック輸送)は225g、インド産(船舶+トラック輸送)は235g、ウクライナ産(トラック輸送)は305gといった形で表示される。
商品のライフサイクルを5段階に分けて計算する点が特徴で、環境データの収集のため、2007年1月から、カジノ社(ラベルを商品に貼ることを決めた会社)に商品を供給している150社、600種類以上の商品について調査が行われたそうだ。
2008年6月から、まず第1段階として食品にラベルを添付し、徐々にカジノ社商品全体に対象を広げていく予定であるとのことだけれど、日本だって真似できないことじゃない。
頑張れ、セブンイレブン!!負けるな、日本!!
さて、食品つながりで日本で表示されているラベルとして思いつくものに遺伝子組み換えのラベルがある。
興味がムクムク湧いてきたので、これに対してもちょっと調べてみることにした。
遺伝子組み換えについて(知っている方は飛ばしてください)。
ひとつの生物から遺伝子を取り出し、他の生命体に導入して、今まで自然界に存在しなかった生命体を作り出すしたものが、遺伝子組み換え技術で、そこから作り出された生命体が遺伝子組換え生物と呼ばれている。
安全性はというと、組み換えられた遺伝子が、新しい毒素やアレルギーの原因となる可能性が0とは言えないのが現状。
何しろ、遺伝子組み換え作物が商業的に栽培されてから、まだ十年。この技術がわたしたちの健康に長期的にどのような影響を与えるのかは、科学的にわかっていないそうだ。
また「遺伝子組み換え」による作物の栽培は、除草剤の使用量を増やす原因となり、生物の多様性や環境を脅かしている。
ひとたび遺伝子組み換え生物が環境に放たれてしまったら、その遺伝子は、もともと自然界に存在していた種と交配し、無制限に増殖し、生態系のバランスを崩し、同時に未知の脅威を引き起こすことにつながる。
このことを調べてみて、最近では生物多様性の大切さがいろんなところで訴えられているけれど、温暖化だけではなく、進みすぎた科学の抑制も、その保全には大変意味があることなんだなぁ、と初めて考えさせられた。
私たちが普段意識せずに地球に迷惑をかけていることって本当に多いのだろう。
アンテナを常に張り、気づいたことは発信していこうと思った。
これに対し、実はフランスでは5月22日、遺伝子組換体に関する法案が成立したばかりだった。
この法案では原産地統制呼称制度(AOC)と生物多様性の保全が強化され、特に、自然公園内では、遺伝子組換体の栽培が完全に禁止される可能性が盛り込まれた。
政府の目標として以下の事項を確認した。
●研究・審査能力を強化し、ヒトの健康と環境の保護を高い水準で保証する。
●あらゆる農業生産組合、特に遺伝子組換体を使用しない農業生産組合を守る。
●穏やかな議論の土台を作り上げるため、遺伝子組換体の使用と評価について、完全な透明性を確保する。
ボルロー エコロジー・エネルギー・持続可能な開発国土整備大臣は、世界で最も保護を強化した法文だと歓迎し、「明快、詳細かつ厳格な規制を組み込み、ヒトの健康、環境及びフランス農業を絶対的に尊重する方向にバイオテクノロジーの発展を導くものだ」と述べている。
日本ではというと、実は先進国で一番の食糧輸入国。
食料自給率わずか40パーセントなので、遺伝子組み換えをして大量生産している国にとってはおいしい輸入先と言えそうだ。
実際、わたしたちの毎日の食卓に欠かせない味噌、醤油などの主原料の大豆は96%(517万トン)を輸入に頼っている。
その約70%の約400万トンがアメリカから輸入されたものだという。
アメリカでは遺伝子組み換えダイズの栽培が盛んで、輸入される大豆の多くが遺伝子組み換え大豆を含んでいる。
しかも恐ろしいことに、遺伝子組み換えではないと表示されているにもかかわらず、実際は遺伝子組み換えの大豆ということもあるそうだ。
最近のアスベスト被害のように、数十年経ってから被害が明らかになったのでは遅すぎる。
ヨーロッパで一般的な「疑わしいものは許可しない」という『予防原則』の考え方が日本でも求められているのだ。
対策としては、遺伝子組み換えを禁止している国に輸入元を切り替えて、遺伝子組み換え品種の輸入量を減らしていき、なおかつ日本国内での菜種栽培を活性化していくことが考えられるけれど、これは政治家や輸入もとの企業にしかできないことだ。
私たちに出来ることといえば、消費者として国産のものを買うようにしたり、遺伝子組み換えではない大豆を選択することによって、遺伝子組み換えの輸入をしている業者にこれは求められていないものなのだと、気づいてもらうことだろう。
食品については数々の不祥事のせいで、日本国民にも大分選ぶということが根付いてきたように思う。
それに対して、今後企業がいかに努力してくれるのか、日本国民として厳しく見守っていけるといいね。
CO2排出量を気にして買い物をしているパリ市民を見習って。
遺伝子組み換えについての情報をもっと知りたい方
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/gm/
参考までに
なぜCO2の排出が問題なのか、地球温暖化の仕組みの簡単解説
大気中の二酸化炭素やメタンなどのガスは太陽からの熱を地球に封じ込め、地表を暖める働きがある。
これらのガスを温室効果ガスという。
温室効果ガスにより地球の平均気温は約15℃に保たれているが、仮にこのガスがないと-18℃になってしまう。
産業革命以降、温室効果ガスの大気中の濃度が人間活動により上昇し、「温室効果」が加速されている。
97年の第三回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)で採択された京都議定書では、地球温暖化防止のため、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素のほかHFC類、PFC類、SF6が削減対象の温室効果ガスと定められた。
というわけで、私たちも出来るだけ、CO2を排出しない生活を心がけましょう。

