この文章はラオスの古都ルアンパパーンで会った青年の書いた文章です。彼は独学で日本語を勉強し、ついに日本語コンテストというラオスの首都ビエンチャンで開催されるコンテストの出場権を手に入れました。1位になると日本で勉強する権利が得られます。以下の文章はブイ君が日本語コンテストのために書いた作文になります。ブイ君に許可を取り、この文章を公開させていただきます。ラオスの現状が少しでも伝わったら幸いです。
ブイ君はこの文章を始めて見せてくれた時「僕の心を込めて書きました。宝物です」と言って渡してくれました。
「ゴミ捨て場で拾った知識」
みなさんこんにちは。はじめまして。
私の名前はウイエンサイです。あだ名はブイです。わたしは20歳です。
私のふるさとはラオスの世界遺産のルアンパパーンです。
日本語を勉強するのがとても好きです。
今日は私にとってとても大切なことを話したいと思います。
私は子どものときに勉強したかったのですが、村に教材が全然ありませんでした。
私にとっての初めての英語の本は、村の川沿いのゴミ捨て場から拾ってきました。
そのことはまだ私の心に残っています。
その挿絵がとても面白かったことを覚えています。
例えばりんごや鳥の絵などいろいろありました。
けれども全部で14ページしかありませんでした。
私は学校で勉強したかったのですが、授業料がとても高く、私の家族は貧しかったので友人たちのように学校に行く機会に恵まれませんでした。
ところがある日、私の夢が叶いました。村にボランティアで英語の先生が来たのです。
毎日私は古い自転車で学校に通いました。村から学校は遠く離れていたので、雨が降ったときは通うのはすごく大変でした。
私は先生と8ヶ月英語の勉強をしました。
しかし、ある日悲しいことが起こりました。先生が去ってしまったのです。でも、私は勉強することをやめませんでした。
毎日英語と日本語の勉強を続けました。
私は12歳で仕事をはじめ、そして稼いだお金を学校の授業料に当てました。それはすごく大変な日々でした。しかし、私は今の生活はいつか必ず良くなると信じて、頑張りました。
私には大きな目標がふたつあります。
ひとつはいつか奨学金をもらって日本で勉強することです。なぜなら日本語をもっと勉強したいからです。難しい目標ですが、精一杯頑張ります。
もうひとつの目標は先生になることです。なぜなら私は子どもたちに教えることが好きだからです。先生になり、恵まれない田舎の子どもたちに教えたいです。私は子どもたちに喜んでもらうことで暖かい気持ちになります。世界の子どもたちの笑顔が見たいです。私はより良い未来のために、より一生懸命がんばります。
いつか私の夢が叶うと信じています。どんな壁があっても私は乗り越えられます。
私は今まで生きていくことの厳しさを色々勉強しました。
新しいことを学ぶことは私の成長につながります。
今回、私は初めてビエンチャンに来ました。
この機会を通して、私は成長したと思います。
今はとても幸せです。
本日はお忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございました。また、私のスピーチをお聞きくださいましたことを心より感謝しております。どうもありがとうございました。
これで文章はおしまいです。
ものすごく素直で人柄のよい、20歳の純粋さも兼ね揃えたブイ君とは、ルアンパパーンという街でご飯を食べる席が一緒だったことから知り合いました。
すぐに打ち解け、2日間一緒にすごさせてもらいました。彼の素晴らしさに触れ、心を洗われた想いです。
特に、一緒に行った村の学校で、飛び入りで授業をしていたブイ君の姿は心に焼き付いています。笑顔全快で体を思い切り使って授業する彼は、私が今まで見てきた先生の中でぴか一輝いていたし、彼の授業を受けたら、私だって今頃英語が大好きでぺらぺらだったに違いないと確信するほど、楽しくて素敵な授業でした。
あぁ、ここに彼の授業の映像が載せられないことが本当に悔やまれます。
いつか、何か彼の役に立ってあげたいと心から思います。
今、何も出来ない自分がいます。
本当に素敵なものをブイ君からはいただきました。
ずっと忘れません。ありがとう。

